Gitなしでも履歴を残す:_hold/運用ルールと命名テンプレ(コメントアウトを増やさない)

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はじめに:Gitがない現場で、コメントアウトが増える理由

不要になったコードを見つけたとき、選択肢はだいたい2つに見えます。

消す

「後で使うかも」とコメントアウトで残す

で、Gitがない(または運用できない)現場だと、だいたいこうなります。

一旦コメントアウトで残す

→ そのまま残る

→ ノイズが増殖する

結論から言うと、コメントアウトの代わりに“一時退避フォルダ”を作って、置き方と命名を固定すると解決します。

この記事では、Gitなしでも履歴を残せる最小運用として、/hold/(一時退避)ルールと命名テンプレを1ページでまとめます。

結論:コメントアウトは残さない。保険は /hold/ に逃がして“見える化”する。

コメントアウトは「保管」ではありません。視界を汚して、検索も汚して、判断も鈍らせます。

だから方針はこれです。

原則:コメントアウトで残さない(削除するか退避する)

例外:どうしても残すなら期限・理由・所有者を必ず書く(ただし推奨しない)

迷い:消せないなら /hold/ に退避して、後で消す前提にする

要は『残すなら仕組みで残す』です。

原因:コメントアウトが増える正体は「戻せない不安」

Gitがないと、こういう不安が出ます。

消したら戻せない

後で必要になったら詰む

誰かに怒られそう

この“不安”を、コメントアウトで解消しようとすると失敗します。なぜなら、残した瞬間からノイズになって、将来の自分が困るからです。

不安の正体は「戻せる場所がない」だけなので、先に“戻せる場所”を作ればいい。これが /hold/ です。

現場あるある:こういう退避が、あとで刺さる

コメントアウト運用が続くと、典型的にこうなります。

動いているコードを追いたいのに、動かないコードが目に入る

検索(grep)でコメントアウトが引っかかって、調査が遅れる

いつ消すのか誰も分からず、永遠に残る

「消せない雰囲気」がチームに伝染する

だから“残す”のではなく、“隔離して期限付きで消す”に寄せます。

Gitなしでもできる:一時退避フォルダ運用(/hold/ ルール)

ここからが本題です。やることは3つだけです。

1.置き場を決める(プロジェクト直下に _hold/ を作る)

まず「退避物の置き場」を固定します。おすすめはプロジェクト直下です。

your-project/
├─ force-app/
│ └─ main/
│ └─ default/
│ ├─ classes/
│ ├─ triggers/
│ ├─ lwc/
│ └─ aura/
├─ _hold/
│ ├─ README.md
│ ├─ 2026-02-11/
│ │ ├─ oldLogic_beforeRefactor.cls
│ │ └─ removeCandidate_reason.txt
│ └─ 2026-02-18/
│ └─ AccountTrigger_beforeFix.trigger
└─ docs/(あれば)

ポイントはこれです。

/hold/ は「本体と同じ場所に置く」

退避物は「日付フォルダ」に入れる

ルールは README.md に1枚で固定する

2.命名テンプレを固定する(迷わないための“型”)

次に、“何をどこまで書くか”を固定します。

おすすめテンプレ(最小)

日付_対象_理由_期限_owner

2026-02-11_AccountTrigger_oldLogic_2026-03-01_satou.trigger

2026-02-11_OrderService_beforeRefactor_2026-03-01_SapporoTeam.cls

2026-02-11_RemoveCandidate_SOQL整理_2026-03-01_satou.txt

これで「いつ」「何を」「なぜ」「いつまで」「誰が」がファイル名だけで揃います。

3.README.md を1枚置く(ルールは短く)

README.md は長文にしません。3~6行で十分です。

README.md(例)

・コメントアウトは禁止。迷ったら _hold/ に退避する
・退避物は _hold/YYYY-MM-DD/ に置く
・命名は「日付_対象_理由_期限_owner」に統一する
・期限を過ぎた退避物は削除 or 正式復帰を必ず決める
・1か月に1回、_hold/ を棚卸しする(5分でOK)

これで運用が回ります。

使い方:判断に迷った瞬間の最小手順(30秒)

ここは“行動に落ちる”形で固定します。

  1. コメントアウトしそうになったら、一旦止まる
  2. 退避対象を _hold/YYYY-MM-DD/ にコピーする
  3. ファイル名を「日付_対象_理由_期限_owner」にする
  4. 本体側はコメントアウトせずに削除(または削除せずに差し替え)
  5. 期限を入れた以上、期限日に棚卸して削除 or 復帰を決める

これだけです。

なお、「削除が怖くて本体を触れない」場合は、先に退避してから本体を削除してください。退避が“保険”になります。

次に読む

コメントアウトを消すときに、次に詰まるのが「結局どれを消していいの?」問題です。

残す/消す/一時退避を迷わず決める基準を3分類でまとめました。

次に読む
不要なコメントアウトを見つけたときに迷うのは「基準」がないからです。 残す/消す/一時退避を5秒で決める判断ルールをまとめました。
不要なコメントアウトを消す基準|残す/消す/一時退避の判断ルール3つ を読む →

まとめ:コメントアウトの代わりに“退避の型”を置く

Gitがないと、消すのが怖くなります。

その怖さをコメントアウトで埋めると、ノイズが増えて未来の自分に刺さります。

だから、やることはシンプルです。

コメントアウトは残さない

保険は /hold/ に逃がす

置き方と命名を固定して、期限で消す

消して、保険は別で残す。これが一番コスパがいい運用です。

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