苦痛を消すな、制御せよ:長期運用できるエンジニアの習慣

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紹介している書籍・サービスは、私が実際に読んで/使って有用だと感じたものを中心に選んでいます。

「楽しいことだけやれ」は、エンジニアを壊す

── 苦痛のパラドックスと、成長するシステムの共通点

「人生楽しんだ者勝ち」「嫌なことはやらなくていい」。

この言葉、エンジニア界隈でもよく見ます。

  • 好きな技術だけ触ろう
  • 楽しい案件だけ選ぼう
  • しんどい作業は効率化して排除しよう

短期的にはラクです。

ただ、長期運用の視点で見ると、この設計はわりと危険です。

今回読んだ本

  • 書名:『社会は静かに呪う』
  • 読む場所:第2章「ネガティブでも幸福度が高くなる意外なケース」
  • この記事で得られること:
  • 「他人が幸せそう」に見える錯覚の正体
  • 幸福度を下げる“ズレ”の作られ方
  • 今日からできるズレ修正3つ

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なぜ危険か:人間は「快だけ」だと満足しにくい

心理学には、あえて不快を選ぶことで快を強く感じる現象が知られています。

辛い食べ物、ホラー映画、サウナの水風呂。身体的には不快寄りなのに、なぜか「気持ちいい」。

これを心理学では良性マゾヒズム(benign masochism)として説明します。

ポイントは、「不快そのもの」ではなく、安全だと分かっている不快が、結果として快を増幅することです。

エンジニアの現場に置き換えると、こういう領域です。

  • 仕様が曖昧で、確認が必要
  • 既存コードが読めず、理解に時間がかかる
  • 原因不明の障害対応
  • 地味で誰もやりたがらない運用改善

楽しくはない。

でも、越えた後に残る理解・自信・再現性は、だいたいこのゾーンで育ちます。

「楽しい」だけを繰り返すと、脳は順応して飽きる

もう一つの問題は、快楽順応(hedonic adaptation)です。

人は良い刺激にも慣れます。慣れると、同じ刺激では満足が伸びにくくなります。

エンジニアリング的に言うなら、

刺激が一定のシステムは、学習が止まる

「好きな技術だけ」「得意な作業だけ」だと、最初は快適でも、伸びが鈍化しやすいです。

しんどい仕事が“後から効く”理由:IKEA効果

「苦労して作ったものほど価値を高く感じる」現象として、IKEA効果があります。

自分で組み立てた・作ったものを、完成品より高く評価しやすい、という話です。

エンジニアだと、これに近い経験は多いはずです。

  • 泥臭くログを追い、障害原因を特定した
  • 仕様を読み解いて設計を組み直した
  • 誰も触りたがらないコードを改善した

振り返ると、価値になっているのは「だいたいこれ」です。

「ポジティブでいよう」は万能ではない(注意点)

ここで誤解しやすいのが、「前向きに考えれば解決する」系の話です。

研究では、ポジティブな空想(うまくいった未来を気持ちよく想像する)が、努力を下げ、成績やメンタル指標と悪い関連を持つことが報告されています。

現場でよくあるのはこれです。

  • 「楽しそうにやらなきゃ」
  • 「好きでやってる感を出さなきゃ」
  • 「つらいって言うのは甘えかも」

これ、自分を偽る設計になりやすい。長期運用に耐えません。

結論:避けるべきは「苦痛」ではなく「管理不能な苦痛」

「楽しいことだけやる」は短期最適になりがちです。

長期で見ると、成長が止まり、自信が積み上がらず、満足度も下がりやすい。

健全なのは、こういう設計です。

  • 楽しくないが、意味のあることを選ぶ
  • 苦痛をゼロにせず、管理可能な範囲で受け入れる
  • 「今しんどい」は、将来の報酬とセットで見る

これは人生論というより、長期運用に耐えるエンジニアリング設計です。

おすすめ本

『社会は静かに呪う』:SNS疲れ・比較・幸福のズレを整理したい人
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おわりに

消すより、ズレを小さくする。これが一番合理的でした。


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