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導入:作ったのに、使われないツール
こんな経験、ありませんか。
- 「これ、便利になるはず」と思ってツールを作った
- 技術的にはちゃんと動く
- でも、いつの間にか誰も起動しなくなる
- そして最後は、存在自体を忘れる(つらい)
動くツールが使われない原因は、機能ではなく「人の集中」を削る設計にあることが多いです。
特にやられがちなのが、記録系です。
- 作業ログを残したい
- 振り返りに使いたい
- だから自動化したい
- …のに、なぜか続かない
このあと、実際に「作業ログ自動記録ツール」を作って使われなくなった例で、
なぜ死ぬのか/どうすれば生き残るのかを整理します。
使われなかったツール例:作業ログ自動記録ツール
ツールの内容
- 作業開始時にツールを起動する
- 作業内容を1行入力する
- 終了時に停止する
- 日付・時間・内容をログとして保存する
目的は、あとから振り返れる作業記録を作ることでした。
技術的には、ちゃんと動いていた
実装としては問題ありませんでした。
- 起動は速い
- ログは正しく保存される
- データも整形されている
少なくとも、「壊れていた」「未完成だった」わけではありません。
それでも使われなかった理由
理由はシンプルです。
- 作業開始前に入力が必要
- 集中したいタイミングで手を止める必要がある
- 記録のために意識を切り替える必要がある
つまり、設計として 「記録のために集中を削る」 形になっていました。
忙しい日ほど起動されず、忙しくない日だけログが残る。
その結果、ログが偏って 記録そのものの価値が下がっていきました。
もし改善するなら、こうする
「続く」側に寄せるなら、やることは1つです。
入力をゼロに寄せることです。
- 自動で取れるものは自動で取る(開始時刻・終了時刻・アプリ名など)
- 人が入れるのは最後に1回だけ(1日の終わりにまとめて補足する)
- さらに言うと、空ログでも成立する(「何も書かれていない」ことを許す)
ログは「正しさ」よりも、残り続けることが先です。
今ならこう判断する
今の自分なら、こう判断します。
- 作業開始を「意識させる」ツールは続かない
- 自動化できない記録は、結局やらない
- 記録は「後から補える」設計で十分
このツールが失敗した理由は、機能不足ではなく
「人の集中を前提にした設計」だったからです。
「使われないツール」を見抜く判断基準
作る前に、だいたい見抜けます。
- 起動のために手を止める必要があるか
- 使うために意識の切り替えが必要か
- 「忙しい日」ほど使う理由が薄い設計になっていないか
- 記録が欠けると、成果物として成立しない作りになっていないか
作業ログ自動記録ツールが続かない理由:使われないツールの共通点は「入力」
「動くのに使われない」は、地味に心にきます。作った側としては、なおさらです。
ただ、この失敗は無駄ではありませんでした。評価軸が「機能」から「摩擦」に切り替わったからです。
入力が1回でも増えるなら、その1回は“忙しい日に必ず消える”。そう腹落ちしました。
だから今は、入力を増やす設計なら最初からやらない。やるなら、後から補える形に寄せる。
この判断ができるようになった時点で、このツールは役目を果たしたと思っています。
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